JPウォール 〜Jパネル耐力壁の板倉造り
板倉造りの最新進化バージョン
千年以上の歴史のある伝統構法「板倉造り」がJパネル耐力壁「JPウォール」を使用することによって 誰でも簡単に造ることが可能になりました。
「壁倍率4.6倍」の大臣認定取得
標準的な住宅であれば4隅に使用するだけで必要な耐力はほぼ満たすことができます。
「特許出願中」
ビス斜め締めと木製ダボ接合によってシンプルでありながら強固な構造を実現しました。 裏側には何もありませんから断熱材充填や電気配線が容易に行えます。
Specification
軸材寸法及び樹種 | 柱及び土台角120mm角以上、梁(桁)120×180mm以上 |
Jパネル寸法と加工 | 厚み30mm、タテ215〜910mm、ヨコ794〜914mm、プレカット及び下孔加工 |
耐力壁寸法 | 幅(柱芯々)910mm〜1000mm、高さ(内寸)2000mm〜2450mm |
接合材 | ビス パネリードⅡ+ L90mm、木製ダボ ナラ材 Φ10mm、L60mm ビスピッチ 180mm、ダボピッチ 175mm |
JPウォール開発エピソード
杉の厚板を柱と柱の間に落としこむ板倉造りは千年以上の歴史を持っています。Jパネルを住宅の構造に利用しようとして、この落とし込み工法の壁材としての認定を取得したのは15年前の事でした。その後、Jパネルは構造を兼ねた化粧材として普及してきましたが、壁倍率の大臣認定の果たした役割は少なくありません。しかし15年経過した今、その壁倍率と施工方法では新しいニーズに対応し切れなくなってきました。
JPウォールの開発のコンセプトは「より簡単でより強く」です。この互いに相反する要求を如何したら成立させることが出来るかが技術的なポイントとなりました。ヒントは開発の1年前に行った東京大学稲山教授との共同開発にありました。開発品は今回とは仕様の異なる耐力壁でしたが7倍という高倍率を得ることができました。このときいくつかの重要なノウハウを学ぶことができましたが、その中で軸材と面材の接合は間接よりも直接の方がはるかに強いということと面材は軸材の中心に接合した場合が最も強度を発揮するということが今回の開発の技術的な重要ポイントとなりました。そしてこれらのことを忠実に行うために考え付いたのがビスの斜め打ちでしたが、この方法が思いがけず良い結果ももたらしてくれました。一つはJパネルと軸材を結合すると同時に化粧面(屋内側)を仕上げることが出来ることです。これは補助材を使った従来方式に比べて作業時間の大幅短縮と仕上げ面の改善に繋がりました。二つ目は軸材の溝幅を大きくすることによってJパネルの厚みに対して十分なクリアランスを確保できるために落とし込み作業が非常にスムーズになったことです。結果として「より簡単でより強く」を実現することができました。
開発は最初の方向性がとても大事ですが、今回はその方向性が最良ともいえる方向を向いていたのではないかと思います。 (H28.5 大石)