Jパネルコラム
Jパネル誕生の経緯
Jパネルは「森林資源から住宅(部材)までをジャストインタイムを基本にしてシステム化する」という機械メーカー(中部機械製造)の発想から平成7年頃に生まれました。
ジャストインタイムは後工程から順番に構築してゆくために木材製品の開発から創め、当初は高品質の幅はぎボードを最終商品としましたが変形(特に幅寸法)が大きく、工業製品としては不適格なために、結果的には繊維方向を直行させて積層するという現在の形に落ち着きました。
さらに平成10年から根太レス材として本格的に生産を開始しましたが、化粧材としての要望が圧倒的に多く、これに応える為に節埋めやエコ塗料の塗装等の仕上げ加工システムを新たに開発しました。
またJPS(Jパネルプロダクトシステム)はその殆どが専用機の集合体であるためにさまざまな問題が発生し、そのたびに追加の開発を必要としました。結果として開発規模は当初計画の3倍以上に膨れ上がってしまいました。この開発期間中(約4年間)に何度も挫折しそうになりながらも、何とか、システムとして完成できましたのは多くの皆様のアドバイスやご支援の賜物と思います。特に林野庁からの3年間に亘る機械開発補助(全木機窓口)は大変助かりました。
技術的ポイント
国内では国産材を使って、木材加工を事業として行う場合の最も重要なことは、品質と歩留まりと自動化であると思います。
まず、品質については、乾燥が最も重要な要素になります。Jパネルでは高温圧締熱処理乾燥というオリジナル技術を使って、粗挽き15mm厚(12mm仕上がり)のスギ板を24時間以内に含水率10%以内に抑えています。
さらに熱処理の効果で、ラミナの状態でのカップ等の経時変化は極小に止まっています。
このことがJパネルの高品質に影響していると思われます。 現在ではこの乾燥技術を生かし、従来から乾燥が難しいとされるスギの柱材や平角材の乾燥に成功しました(Sドライとして普及し始めています。)。
次に歩留まりについては乾燥技術と共に画像処理技術が貢献しています。 これは製材中に挽き出される板の形状を 3次元的に機械が把握するシステムで、データを次工程に送信することにより、幅方向の有り寸加工を可能にしました。
次に自働化は単なる省人化ではなく、作業者を管理者にすることを目的として開発しました。このため、既成のソフト技術では適応するものがなく、自前で開発することになり、当時では機械関係ではまだ珍しかったWindowsを採用しました。
Jパネルの現況
JPS(Jパネルプロダクトシステム)は当社以外に徳島県と鳥取県にありますがそれぞれJパネルを月産1,000枚〜2,000枚の規模で生産しています。
使用樹種は当社以外はスギのみですが、当社ではユーザーの要望でヒノキ(20%) とカラマツ(10%)も生産しています。 下地材としての需要は10%程しかなく、これは合板と競合している影響と思われます。
モジュールは圧倒的に尺(3×6板)が多く、メータ板は約30%です。 販売先は40%が商社で、60%は工務店や設計事務所ですが、全体の80%がリピーターで占められているのが特徴です。
住宅部材としての使われ方はさまざまですが、最も多いのは2階の床下地材を兼ねた1階の表わし天井材という使い方です。 これですとトータルコストで従来方式よりも安くなります。
次に多いのが床材です。 傷が付き易い(特にスギ)のが欠点ですが、一度経験すると、その暖かさと軟らかさに圧倒されてしまい、傷は気にならなくなるから不思議です。
意外に多く使われているのが、建て付け家具材です。 特にJパネルの断面は3層になっているので大変美しく、装飾的にも面白い素材であると思います。
Jパネルファンの中には何でもかんでもJパネルという方がおられ、1軒で約400〜500枚を使用した例もあるほどです。
いずれにしましても需要は微増で安定化しており、今後の利用方法によってはかなりの普及が見込まれるものと思います。
エコ建材に対する取り組み
当社では間伐材や短尺材を含む森林資源の有効活用こそが、森林環境の維持・保全に繋がる唯一の方法と考えています。
又、より良い住環境を実現するには、出来るだけ無垢に近い木材が必要であり、さらに、リサイクルが可能な建材が望ましいと考えています。
一方で、消費者側からは変形等の欠点のない、安価な木材を求められています。
これらの要望を同時に実現させる為に開発されたのがJパネルです。
Jはジャパンの頭文字で国産材を原料にしています。
木材の変形を抑制するために繊維方向を直交させて接着してありますが、熱処理乾燥というオリジナル技術を使うことにより、木質を滑らかにしています。
低コストの実現には画像処理技術等を駆使することにより、歩留りの向上と自動化を同時に行っています。
Jパネルは本来、国産材(特にスギ)が持っている断熱・蓄熱性能、遮音性能、調湿性能等を最大限に引き出すことに成功した数少ない建材であると、少なからず自負しています。
ナイスフェアー
Jパネルの効用
1.
Aさんは食堂テーブルとコタツの天板が古くなったので模様替えのつもりでJパネルで天板を作ってみました。使用したのはスギJパネル、両面補修材、3×6板(S182AA)で、コタツの天板は4隅コーナーをR加工(100R)、食堂テーブルは短面を大きなR加工にしました。
さらに全面を自然塗料で塗装し、食堂テーブルについては元のテーブル天板の上、2箇所に滑り止めを敷きそのまま天板を乗せました。 使い始めて1 年が経過しましたが、予想以上の使い心地に大変満足しています。
何がそんなに気に入ったのかをお聞きしてみますと先ず、手触りがとても良いと言う事でした。
暖かくて軟らかく、ランチョンマットなどは敷く気にならないほど清潔感があり、サラサラした感触がたまらないとのことです。
さらにコタツの天板は断熱性が高いためか、上にみかんなどの冷たい果物を長時間置いておいても生温くならないそうです。
視覚的にもクリア塗装のため杉そのものの色合いで、とても落ち着きがあり、飽きがこないと言う事でした。
2.
Bさんはキッチンのガスレンジ上のフードカバーに装飾としてJパネルを使ってみました。
使用したのはスギJパネルで無塗装です。
使い始めて2ヶ月ほど経過した時に不思議なことに気づいたそうです。
ステンレス製のフードやレンジの近くのタイル壁は油でべとついているのにJパネル製のカバーは触ってもサラサラしているというのです。
ただこの時はさほど気に留めなかったのですが、さすがに1年後には驚いたそうです。
施工時と同じサラサラ状態だったからです。
十分に乾燥させたスギの吸湿効果は良く知られていますが、匂いや油も吸い込んでしまう効果があることは近年では意外と知られていません。
Bさん宅では靴箱の中や押入れの中、クローゼットの中もJパネルや単板(Jパネルの)で作ってあるので、湿気や匂いに対し不愉快を感じたことは一度もないそうです。
Jパネルの机 製作体験教室
岐阜県の本庄工業(株)さんでは毎年、一般消費者を対象にJパネルを材料にした机の製作体験教室を開催しています。
今年も3月20日(日)に午前と午後に分かれて、それぞれ5組の親子がこのイベントに参加しました。
作品の机や本棚は木工作家の石井学さんがデザインしたもので、すでに木取りされたJパネルを組み立て、塗装(蜜蝋ワックス)するだけのものですが、子供達にとっては自分で作ったという満足感が十分あるようで、今回が3回目の参加という親子もおられました。
本庄工業さんではこのイベントに社員が総出で参加し、製作のお手伝いをしていますので、参加者は作品を必ず完成させることが出来ます。
参加費用は23,000円ですが、作る満足感と作品の価値観がそれを上回り、参加希望者は年々増えているそうです。
本庄工業の中川社長は「このイベントは住宅販売のツールとしてだけでなく、親子関係や社員と地域の人々との関係などの人間関係を深めてもらうことや、子供達が木に親しみ作ることの楽しさを体感してもらうことなどの効果が予想していた以上にあり、今後もぜひ続けてゆきたい。」と語っておられました。
私達、Jパネルを作っている側からしますと、住宅部材としてお使いいただくことだけでもありがたいのに、ここまでJパネルを活用していただいていることに一種の感動を覚えました。ありがとうございました。
※ご関心のある方は下記にお問い合わせ下さい。
本庄工業株式会社 森のすみか展示場 0120-89-5488
http://www.honjyo-woodream.com
フランスの三ツ星シェフお気に入りの鮎屋さん
あの有名なピエール・ガニエール氏がお気に入りの鮎屋さんが、長良川河畔の古い町並みに新しいお店をオープンされました。
しかも大量のJパネルを使用されたとお聞きして、早速拝見しにお伺いしました。
お店は創業明治20年の老舗・泉屋物産店さんで、施工は本庄工業(株)さんがご担当され、6月に開店されたばかりです。
お店に入ったとたんにスギの香に包まれ、時間の流れが緩やかになったような感じがします。
早速、天然鮎の塩焼きを注文しました。
炭火でじっくり焼き上げるため、30分待たなければなりませんが、なぜか待たされたという気分にはなりません。出てきた鮎は香ばしくて、頭から骨までカリっと全部食べられます。
今までいろんな所で鮎を食べてきましたが、これは絶品でした。
食事はいくつかのコースがありますが、いずれも化学調味料を一切使用していないこだわりの味です。
Jパネルは壁や天井だけでなく、様々に活用されていますので、これからJパネルをお使いいただく皆様には、正にモデルハウスといえる出来栄えです。又、使用されたJパネルは全てBタイプ(抜け節補修なし)であることもご参考になると思います。
もう一度行ってみたくなるお店であることは間違いありません。
川原町・泉屋
岐阜市元浜町20
tel.058-263-6788
営業時間/11:00〜15:00 17:00〜19:30 定休日/水曜日